短距離走の自主練習メニュー(上級版)
短距離走の自主練習メニュー(上級版)
スポーツに対する内発的な動機づけのレベルがある程度高まった選手(記録を伸ばすために、自らの意思で自主練習を行おうとするレベル)向けの練習メニュー例です。練習時間の目安は70分です。
1週間の練習例
スポーツのパフォーマンスはあらゆる身体能力の総合値です。走幅跳やハードルもそもそもの短距離が速くないと良い記録は出ませんし、短距離走も、持久能力が無ければ終盤大きく減速してしまいます。バランスよく、あらゆる身体能力を向上させていくことが大切です。できれば持久運動を含む球技や水泳など、他のスポーツ活動も並行していると望ましいでしょう。特定の競技種目のみの集中的な練習で、局所への負荷が蓄積すると、怪我のリスクが高まります。
※週のスポーツ練習時間(h)が年齢を越えないように(例:10歳の場合、週10時間以内)。
※食事を抜かず、一日必ず9時間は睡眠時間を確保する。
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準備物、あると良い環境
- 縄跳び
- マーカー20個(踏み越えやすい目印になるものであればOK。ミニハ―ドルでも可)
- 車通りの少ない緩い坂道(30m〜60m程度)
ドリルトレーニング
基本腕振り(50回×3セット)
小学生に特に大切な、腕振りへの意識を強める運動です。
- 手先での腕振りはNG
- 脇から大きく速く振れるように。肘を大きく動かそう
5分ジョギング
身体を温めて、スピードを出す準備をします。先にやった腕振りを意識して走りましょう。暖かい時期で、安全な芝生があれば、裸足で行うと良いトレーニングになります(足部の機能向上)。
- 少し呼吸が弾むくらい
- 綺麗な姿勢と腕振りを意識
レッグスイング(各10回)
片脚支持での安定性、股関節周りの可動性、筋力を高める運動です。
- 身体はまっすぐ、脚の付け根から大きく
- 極力、足裏全体を地面に付けたまま、軸足の膝を完全に伸ばして
フライングスプリット10回×3
股関節周りの可動性と筋力を高める運動です。股関節の真下にマーカーを置き、頭の位置を変えずに実施してみましょう。
- 身体はまっすぐ、脚の付け根から大きく
- お尻や腿の裏で衝撃を受け止めよう
片脚縄跳び(できれば2重跳び)20回×3ずつ
足部の剛性を高める運動です。強い足首がないと、地面に力が伝わらないので、重要な練習です。
- 踵がべたっと着かないように。足裏の前部分で弾もう
- 姿勢はまっすぐ
駆け足縄跳び30m×5(以降の練習は坂道でもOKです)
足部の剛性を高めつつ、腿を身体の前で入れ替える動きを身に付ける運動です。この動きで速く前に走れるようになると、普段のフォームもぐっと良くなります。
- 踵がべたっと着かないように。足裏の前部分で弾もう
- 姿勢はまっすぐ。腿を空中で入れ替えて
Aスキップ10m×2
足部の剛性や、身体の真下付近での接地スキル、上半身の使い方で接地力を増やすスキル等々を改善させる基礎ドリルです。
- 接地時に両つま先がそろうように(足部のバネが強いこと、身体の真下で地面を捉えられていることの簡便な指標)
- 上半身の振り込みを鋭く、接地とタイミングを合わせて
Bスキップ10m×2
Aスキップの目的に加え、ハムストリングが速く引き伸ばされる中での力発揮、下腿のコントロール力を高める運動です。
- 接地時に両つま先がそろうように
- 地面を前でたたくのではなく、真下に引き込む
- 自転車のペダルを漕ぐように、トゥーアップを意識
Cランニング10m×2
ハムストリングの速い収縮刺激を入れつつ、引き付けによる自然な踵の高さ、ブレーキのかかりにくい接地スキルを改善させる運動です。
- 膝を極力前に出さず
- 速く腕を振る
- トゥーアップを意識して、ブレーキのかからない、上から地面を押さえる接地を
ストレートレッグ15m×2
身体の真下付近で地面を捉えたり、遊脚で地面を捉えるサポートをするスキルを付ける運動です。股関節屈曲筋群のトレーニングにもなります。
- トゥーアップで、バタバタ足音を立てず、前にスッスッとやる
- 地面をお尻でキャッチする感じで
- 足裏を前に見せるように
バウンディング15m×2
下肢を中心とした、全身の剛性を高めるトレーニングです。15mを何歩でいけるかを目標にしましょう。
- 腕と遊脚の振り込みのタイミングを合わせて
- 徐々に身体を立てて
- 衝撃はお腹や骨盤で受ける感じ
ホッピング15m×2ずつ
下肢を中心とした、全身の剛性を高めるトレーニングです。バウンディングよりも早いタイミングでの遊脚の切り返し、スイングが求められます。こちらも15mを何歩でいけるかを目標にしましょう。
- 腕と遊脚の振り込みのタイミングを合わせて(早め早めに)
- 徐々に身体を立てて
- 衝撃はお腹や骨盤で受ける感じ
スプリントトレーニング
ミニハードル(or マーカー)スタートダッシュ20m×5
スタートダッシュを決めた時の歩幅の間隔で、ミニハードル、もしくはマーカーを置いたダッシュの練習です。こうすると、地面を上から捉える動きが強調されて、ブレーキが少ない大きな加速動作を学習しやすくなります。大きく速く、最初の5歩にこだわって練習してみましょう。
加速段階なので、ハードルやマーカーの間隔は徐々に長くします。
マーカー走(10m助走+マーカー15個)×5
全力で走った中間疾走の時の歩幅で、ミニハードルやマーカーを15個ほど並べて、そこを全力で駆け抜ける練習です。目標物があると姿勢も安定しやすく、膝も高く上がり、上から捉える、腰が乗る接地が促されます。
また、最初のマークを越えた瞬間から最後を越える瞬間までのタイムを測れば、速かったかどうか、これまでより速くなっているかどうかが判断しやすいメリットもあります。
小学生の高学年でおおよそ150〜160cmくらいの間隔が目安になります。身長やタイプに合わせて調整しながら実施します。
- 足を着く瞬間に脚で「4の字」を作るイメージ
- 身体を立てて
- タイムを取って、全力を出そう
坂道スプリント(30m×5本、60m×3〜5本)
坂道は、速く走るために必要な股関節周りや膝回り、足首のパワーを高めるのに理想的な環境です。ここでドリルやジャンプ、ダッシュを繰り返し行なうと、適度な負荷がかかり、走りの中での力強さを高めることができます。また、短いインターバルで繰り返すと、持久力をつけることができます。
また、動画のようにボールに腿をぶつけるように走ると、足が後ろに流れ過ぎないための良い練習になります。