持久走の練習方法
たくさん運動習慣をつけよう
持久走が速くなるためには、持久力をつける必要があります。
現実としては、日常の持久的な運動機会の多さが持久力に大きく関わります。友達と鬼ごっこを長時間したり、自転車を長く漕いだり、水泳をしたり、山登りをしたりと、まず日々の生活における持続的な運動機会を増やすことが最も効果的です。
近頃は鬼ごっこがたくさんできるような3つの間(時間、仲間、空間)も減り、学校でのマラソン大会、持久走の習慣も消えていく一方です。
昔は放っておいてもある程度の持久力が担保されていたと考えられますが、現代では体力をつけるのにも、ご家族のサポートが必要な時代になってしまったのかなと思います。
強制させるとモチベーションが下がる運動ナンバーワンとも言える持久走。なんとか好んで長く走れる子を増やしていきたいところです。一生涯を通じた生活習慣病のリスクにもヒットしてきます。
1日5分、息が弾むジョギングをしよう
一人でもジョギングができることは、持久力を高める上で大きな強みです。
持久走が苦手な子も、「持久走自体のキツさというより、他人に置いて行かれる苦痛の方が勝っている」可能性があるため、一人であればジョギングを楽しめる可能性が大いにあります。
1日5分でも良いでの、ジョギングをしてみましょう。全力で走ると苦痛が大きくなってしまいますが、少し呼吸が弾むくらいのペースであれば、運動による心地よさ、爽快感を適度に味わえやすくなります。
これに味を占めたら、まずは走る時間を少しずつ長くしていくと良いでしょう。10分くらい楽にジョギングできるようになったら、少しずつペースを早めていきます。小学校レベルの長距離走であれば、これで最低限のペースを保って走り切れるようになると思います。
色々な地形を走ろう
砂浜や不整地、硬い走路や砂地など、色々な地形を走ることで、脚の多様な筋肉を刺激でき、強く安定感のある足を育てることができます。
近年は、運動スペースの路面が綺麗に整えられていることも多いですが、「綺麗な場所=良いトレーニング環境」とは一概に言えません。
また、整った芝生など裸足で走ることも、足部の機能を高めるために非常に良い運動です。短距離走のフォームも良くなります。
怪我に注意しながら、疲れ果てるまで運動させてあげましょう。
縄跳びをたくさんやろう
その他、簡単にできる練習として、縄跳びが挙げられます。数分間連続でリズムよくできるように練習してみましょう。
リズムよい縄跳びに必要な足首のバネの強さは、車でいうタイヤの空気圧に相当するので、走りの燃費を良くするのに有効な運動遊びです。
色々な跳び方で、何回跳べるか?チャレンジしてみましょう。
遊びの中で持久力を育てよう
マーカー取り競走は、クラブでも低学年に人気のある持久運動です。
他者との差が分かりにくく、意識がマーカーを集めることに集中するので、我を忘れて2〜3分間の強度の高い持久運動を行うことができます。たくさん集められるものを用意して、兄弟や友達、家族(可能なら)で一緒に競走してみましょう。
1往復につき1個回収の制限で、マーカーをより多く集められた人が勝ちです。
マーカーグルグル鬼ごっこは、コーチ主導ではありますが、夢中で持久力を育てられる良い運動遊びです。
笛がなったら逃げる向き、追いかける向きを切り替えます。意識が「コーチがどこにいるか?いつ笛が鳴るか?」に向くので、運動中の持久的な苦痛を感じにくくなります。
コーナーを走るスキルも身に付きます。友達と1対1で勝負しても良いでしょう。
人数が多い場合は、サークルを大きく、かつ早歩き、スキップ、ケンケンなど、速度が上がらないスタイルで実施し、方向転換時の衝突リスクを減らしてください。
また、長時間バスケやサッカーなど、良く走る球技スポーツを行うことも、持久走が速くなるために有効な活動です。機会があれば、積極的に参加してみましょう。
発展練習(高学年、アスリートクラス向け)
記録会、大会に良く出るようになり、記録更新を目指して頑張れるようになってきたら、インターバルトレーニングをやってみましょう。100mから200mくらいの距離を、スピードを出して走り、同じ距離を、走った距離分ジョギングでつないで、数セット繰り返します。
単調で苦痛を伴いやすいので、記録向上への意思が固まっていない段階では、モチベーションを大きく下げるため不向きです。
練習例
- 100m×8本(つなぎ:100mジョギング)
- 200m×5本(つなぎ:200mジョギング)
※間のジョギングは、走った時間の2〜3倍が目安
数百メートル距離が取れるグラウンドが無い場合、長い坂道で行ったり、40mくらいの距離を往復する形式でも効果的です。
練習例
- 坂道100m×6本(つなぎ:100mジョギング)
- 40m2〜3往復×6本(つなぎ:走った距離分ジョギング)
いずれの練習も、余力を残して走れるペースを高めていけることが重要です。