短距離走の練習方法
まずは正しく腕を振ろう

まずは正しく腕を振りましょう。両肘をリズムよく後ろに引く体操をします。
こうすると、肩や頭が前後にブレにくく、正しい腕振りの軌道を学びやすくなります。どうしてもブレてしまうという子は、肩を押さえてあげながらやってみると良いでしょう。
そのまま、左右交互にリズムよく肘を引きます。さっきの姿勢を崩さないように、徐々に早く振っていきます。手にティッシュを軽くつかんで実施させると、変な力が入らず、軽やかに腕が振れるかもしれません。
次に、その腕振りで早歩きをしてみましょう。速く歩くためには、速く力強い腕振りが必要になるため、早歩きは腕振りを改善するためにとても有効な手段です。競走しながらやってみましょう。
練習の目安
- 両腕肘引き10回×3セット
- 交互腕振り20回×3セット
- 早歩き20歩×3セット
良い姿勢でジャンプできるようになろう
良い姿勢で短く高くジャンプできることは、走りの中で一歩の歩幅を伸ばしていくために必須の能力です。
まずはつむじが空から吊り上げられているようなイメージでまっすぐ立ちます。もしくは、壁に踵、お尻、背中、頭をまっすぐ付けた状態を作らせてみると良いでしょう。
その姿勢で、肘を高く上げて、肘をグリグリと後ろ回転させる勢いで、リズムよくジャンプします。2人組で肩を押さえて、バウンドする感じを掴めると、さらに良い練習になります。重みに耐えながら、1本の棒になった気持ちで弾めることが大切です。
次に、壁に斜めになって、踵を上げてジャンプします。この時も、まっすぐな人間ドリブルの時のような姿勢をたもちます。スタートダッシュから加速に乗るためには、この姿勢でジャンプができないといけません。
片脚でも、踵を上げた状態で軽々できるまで根気よく練習しましょう。この時、膝はおへその前まで挙げることが大切です。慣れてきたら、足を入れ替えながら実施して、より走りの動きに近づけていきます。
もう一つ、分かりやすく、楽しみながら、良い姿勢で短く高く弾む能力を育てられる練習に、「縄跳び」が挙げられます。50mで8秒前半を目指したかったら、少なくとも片脚跳びを30回繰り返せるようになったり、二重跳びは10回連続で跳べるようになっておきたいところです。
また、短く弾みながら、脚をタイミングよく入れ替えられないと上手くできない、「駆け足跳び走り」は、良い走りの基礎作りにもってこいの練習です。走ると体が前のめりになってしまう子には特にお勧めです。
練習の目安
- 人間ドリブル20回×2セット
- 壁押しジャンプ両脚20回×2セット、片脚20回×2セットずつ
- 両脚or片脚縄跳び30回×2セット、もしくは二重跳び10回×3セット
- 駆け足縄跳び走り30歩×3セット(小学校高学年向け)
手足をスムーズに入れ替えよう
次に、手脚をスムーズに入れ替える練習をします。
まっすぐの姿勢のまま、前後のつま先の向きをそろえて、前の膝が90度くらいになるまで腰を落とします。目印に、頭の真下に幅のあるモノをおいて置くと良いでしょう。頭の位置が前のめりになって、このモノよりも前にはみ出ないように意識します。
このまま、手足を「パッ!パッ!」と速く入れ替えられるようにトレーニングをしてみましょう。幼児〜小学校低学年で、大きくやるのが難しければ、まずは地面に線を引いて、そこで手足を入れ替える運動から始めてみましょう。
これができたら、腕を振って、その場でかっこよく腿上げしてみましょう。前に敵がいると思って、膝蹴りでやっつけるつもりでやると、素早い動きがやりやすくなります。ゴムバーや手で目標物をおいてあげると、尚良しです。この時に出してあげる手は、片手にして、ガニ股にならないよう配慮します。
練習の目安
- フライングスプリット20回×3セット
- その場腿上げ30回×3セット
グングン前に進めるようになろう
次に、大きいスキップで弾みながら前にグングン弾む感じをつかみましょう。歩幅を大きく伸ばすためには、こうした運動で大きく前に進めることが大切です。坂道で実施すると、地面を押す感じがつかみやすくて効果的です。
立ち幅跳びを連続で繰り返して、〜回でどれくらい進めるか?を競うような運動も、前にグングン体を進めるための基礎作りになります。
慣れてきたら、片脚ずつ交互にジャンプするように前に進んでみましょう。〜mを何歩で走れるか?と目標を作ってあげるとモチベーションも高まります。ケンケンでも実施してみましょう。
練習の目安
- 大きなスキップ20m×3セット
- 連続立ち幅跳び10m×2セット
- 10m何歩でいけるか選手権×2セット+ケンケン×2セット
スタートダッシュとゴールを決めよう
良いスタートダッシュが決まらないと、良いタイムを出すことはできません。
スタンディングスタートでは、「オンユアマーク」の掛け声で、スタートラインぎりぎりにつま先を揃えます。
「セット!」と言われたら片脚を引いて、3m奥の地面を向きましょう。このように前傾姿勢を取ると、前のめりになり過ぎず、頭もブレず、安定したスタートを切れる子供たちが多いです。
ブラさない!というより、目線をコントロールしてあげましょう。
合図が鳴ったらゴールだけを見て一直線に走ります。
ゴールラインでは、ゴールの5m奥がゴールだと思って走り抜けましょう。ゴールラインで止まってしまうと、タイムが遅くなってしまいます。
また、陸上のルールでは、胴体が通過したところでフィニッシュとみなされるため、胴体を前に投げ出しながらフィニッシュすると、少しタイムを縮めることができます。
しかし、これをやろうとゴール前で姿勢が崩れ、逆にスピードを落としてしまう子も多いため、初心者では注意が必要です。
発展練習(高学年、アスリートクラス向け)
やってみよう。スプリントドリル
スプリントドリルは、短距離走の基礎を作る一般的なトレーニングです。良い姿勢や地面への力の加え方、弾む感じを確かめたり、それらに関わる能力を鍛えたりするために行ないます。
Aスキップは、良い姿勢を保ちながら、膝下を垂直に地面に落として、上手く力を受け取る基礎エクササイズです。足を遠くについて、地面をひっかくように体重を移動させるのではなく、自分の体重をバウンドさせながら移動する感じをつかみます。一回一回、まずは両つま先をそろえて実施できるようになりましょう。地面を前に取りにいかないための良い制限になってくれます。
Bスキップは、Aスキップに自転車のペダルを漕ぐような動きを加えたものです。前に蹴るのではなく、体の真下に足を引き込む感じで行ないます。ちょっと難易度が高いドリルですが、できると地面に向かって積極的な接地ができるようになります。つま先をそろえてできるようになりましょう。
ストレートレッグは、足を伸ばしたまま足裏で地面を捉え、反対足の前へのスイングでグングン進む感じを掴むドリルです。
足裏を前にいる人に見せるように、バタバタ音を立てず、「シャッシャッ!スッスッ!」と滑るように前に進むことがポイントです。一歩で大きく進めるようにトライしてみましょう。
ミニハードルスタートダッシュ
スタートダッシュを決めた時の歩幅の間隔で、高めのミニハードルを置いたダッシュの練習です。こうすると、地面を上から捉える動きが強調されて、ブレーキが少ない大きな加速動作を学習しやすくなります。大きく速く、最初の5歩にこだわって練習してみましょう。
加速段階なので、ハードルの間隔は徐々に長くします。
ミニハードルスプリント
全力で走った中間疾走の時の歩幅で、ミニハードルやマーカーを10〜15個ほど並べて、そこを全力で駆け抜ける練習です。目標物があると姿勢も安定しやすく、膝も高く上がり、上から捉える、腰が乗る接地が促されます。
また、最初のマークを越えた瞬間から最後を越える瞬間までのタイムを測れば、速かったかどうか、これまでより速くなっているかどうかが判断しやすいメリットもあります。
小学生の高学年で50m8秒前半だと、おおよそ140〜150cmくらいの間隔が目安になります。助走は10〜20m程度取ると良いでしょう。身長やタイプに合わせて調整しながら実施します。
坂道ダッシュで脚力をつけよう!
坂道は、速く走るために必要な股関節周りや膝回り、足首のパワーを高めるのに理想的な環境です。ここでドリルやジャンプ、ダッシュを繰り返し行なうと、適度な負荷がかかり、走りの中での力強さを高めることができます。
また、動画のようにボールに腿をぶつけるように走ると、足が後ろに流れ過ぎないための良い練習にもなります。
練習の目安
- Aスキップ、Bスキップ、ストレートレッグ各10回×3セット
- ミニハードルスタートダッシュ5歩×6セット
- ミニハードルスプリント(マーク10個)×4セット
- 坂道ダッシュ30m×5セット