PEACEで活動される生徒のご家族の方々へ(知っておいて欲しいこと)

PEACE陸上スクールの指導方針

PEACE陸上スクールは、日本陸上競技連盟競技者育成指針に基づいた指導、クラブ運営を行います。

 

練習内容は、楽しく元気に身体を動かせて、正しく走る、跳ぶ、投げる基礎に自然とつながる運動遊びや基本のドリル練習、リレー競争が中心です。

 

「本人が望んでいない、フォームを直接矯正させるような指導」は、子供にとって不適切なケースが多いため、全体指導時の実施頻度は高くありません。その点、ご了承ください。

 

 

(以下、日本陸上競技連盟競技者育成指針パンフレットより抜粋)

0歳〜6歳:キッズクラス相当

  • 幼稚園、保育所および家庭での身体活動や運動遊びを通して、体を動かして遊ぶことに親しみ、楽しさや高揚感を味わう。
  • 生涯にわたる身体活動やスポーツ活動の基盤となる身体リテラシーの育成を開始するために、運動遊びを体験する機会や場をより多く提供し、走跳投をはじめとする基礎的な動きの多様化と洗練化を促す。
  • 安全性を確保した環境のもとでの活動を通して、身の回りの危険や限度を学ばせる。

 

6歳〜12歳:ユース、ジュニアクラス相当

  • 学校体育(クラブ活動)や地域スポーツクラブ等での活動を通して、引き続き、運動遊びやスポーツ活動に親しみ、楽しさを味わうことを重視する。
  • 陸上競技の走跳投種目を導入しながら、スポーツスキルと体力のバランスのよい発達を促すことにより、身体リテラシーの育成を継続する。
  • 発育発達の個人差の影響が最も大きい時期であることから、他者との比較のみに偏ることなく、自己の記録に挑戦する「楽しさ」を通して運動有能感や自己効力感を養うことにより、その後の陸上競技の継続へとつなげる。
  • より多くの子どもたちに陸上競技に接する機会を提供するために、種目設定や演出を工夫し、誰もが気軽に参加できる競技会を開催する。
  • 過度な競争や強化が助長され、子ども達への負担が高まることを避けるため、専門的なトレーニング方法や競技会への準備は避けるとともに、地元・地域(都道府県)レベル以下の競技会参加を推奨する。

 

12歳〜15歳:中学クラス

  • 学校部活動や地域スポーツクラブでの活動を通して、身体リテラシーの育成に配慮し、陸上競技の複数種目や他のスポーツを楽しむことを継続する。
  • 陸上競技に必要な技術や体力の発達を促すために、走跳投種目全般にわたるトレーニングを段階的に開始する。
  • 陸上競技のルールやマナー、トレーニング方法や競技会への準備などの基礎を学び始める。
  • 引き続き、発育発達の個人差は大きく、男女差も大きくなる時期であることから、それらが競技パフォーマンスに及ぼす影響を十分に理解し、バーンアウトやドロップアウトを起こさせないように注意する。
  • オリンピック(シニア)種目にこだわらない種目(負荷)設定による競技会を開催する。
  • 地元・地域(都道府県)レベル以下の競技会参加を中心とし、個人の発育発達に応じたトレーニングや適正な競技会の出場回数を検討しながら、オーバートレーニングや競技会過多にならないように留意する。

記録や記録の伸び度合いと個人差(相対年齢効果とPHV)

同じ学年の生まれ月が学業やスポーツ成績に及ぼす影響は、「相対年齢効果」と呼ばれ、陸上競技の成績にも大きな差を生みます。同じ小学5年生でも、4月生まれと3月生まれでは、1年近く差があるため、当然4月生まれの成長度合いが早い傾向が強くなるからです。

 

 

 

また、子供の走る能力、跳ぶ能力が最も伸びやすい時期は、身長の伸びが最も著しい時期(PHV:Peak Height Velocity)と重なりやすい傾向があります。このPHVは13歳〜14歳くらいに相当し、男女や個人の差によってばらつきがあります。

 

 

加えて、このPHVを迎える前、背の伸びに対して身体をコントロールする能力が伴わず、一時的に走る速さが遅くなってしまう、思春期不器用という現象がみられることもあります。少し前まで軽やかな足の回転だったのに、背が伸びて、最近ドタドタと走るようになってしまった場合などは、このケースが考えられます。

 

 

このように、子供のスポーツ活動の現場では、たとえ一生懸命練習したとしても、走るタイムに大きな差が出る、タイムが伸びない、むしろ遅くなることが容易に起こり得ます。逆に普段スポーツ活動をしていない子の成績が良いということもあるでしょう。

 

 

少なくとも陸上競技では、高校〜大学まで競技を続けてみなければ、その才能の判断は難しいとも言われています。

 

 

スポーツで良い成績を残せなかったからと言って、「練習が足りない、才能がない」ということに安易に結び付けず、個人差の大きさを理解したうえで、子供のスポーツ活動に対する向き合い方を考えることが大切です。

 

 

成長が早い子、遅い子、早い段階で自信がついた子、逆に他に引け目を感じてしまった子、様々がパターンがある中で、そのスポーツへの参加に子供が「自ら」積極的になれるよう、PEACE陸上スクールは一緒になって考えます。

参考文献

・Philippaerts et al. (2006). The relationship between peak height velocity and physical performance in youth soccer players. Journal of sports sciences, 24(3), 221-230.
・日本陸上競技連盟(2019)競技者育成指針の基本的な考え方.競技者育成プログラム―東京、そしてパリへ―.pp.10-15.
・日本陸上競技連盟(online)競技者育成指針パンフレット.
・日本陸上競技連盟(online)タレントトランスファーガイド. https://www.jaaf.or.jp/pdf/development/transferguide.pdf.